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Sky in Australia

Sky in Australia

夢の自然分娩

今まで何ヶ月も痛みと戦ってきたので、思ったよりも陣痛の痛みはひどいものではありませんでした。大きな声で叫んだりするのかなぁ、と想像したりしていましたが、別に声を出さなくても呼吸法だけで大丈夫でした。でも隣の分娩室からは

”痛い、いたーーーーいっっ!!”

という他の妊婦さんの叫び声がずっと聞こえていました。実は同じ日にこの病院で生れた赤ちゃんは8人もいたのです。同じ時間に陣痛の痛みに耐えていた妊婦さんもいたんですね。

娘りりかが生れる30分ほど前に隣の分娩室から赤ちゃんの泣き声とおめでとうございます!という病院スタッフからのねぎらいの声が聞こえてきました。私は最後の強い陣痛に耐えながら意識はもうろうとしていましたが、あぁ、生れたんだ、すごい、生れたんだ、、と頭の中で考えていました。でもまさかこの後間も無く私にもその瞬間がやってくるのだということは想像出来ませんでした。まだまだ時間はかかるだろうと何となく思っていました。

数回いきみの練習をした後、院長先生が入って来て、本番のいきみに入りました。いきむ時に先生がものすごい力で私のお腹に乗るようにして、赤ちゃんを搾り出そうとするのです。この時ものすごい痛みでした。今まで我慢してきましたが、ここで初めて、

”痛い、、、!”

と声を絞り出しました。先生は残酷にも

”痛いのは当たり前です。もう赤ちゃんが産道にはまっているんですから。”

と冷めた調子で答えました。何も言い返せません。本当は、

”なにすんじゃ、ごるぁーーーーーー、やー、めー、ろーー、うぎゃー、痛いんじゃーーーーー!”

と叫びたかったのですが、一応人間らしさを留めた発言になるよう努力したのです。ちなみに嬉しそうにコメント付きでビデオカメラを回し続けているリチャードにも、

”Will you please get out of my sight!" (私の視界に入らないで!)

と注意しました。何かそこら辺をうろちょろされるのが、たまらなくうざかったのです。集中出来ないし、とにかくもう邪魔!うざすぎ!!でもswear wordsを使うこともなく、ここでも"please"なんて丁寧な言葉を使うなんて、私陣痛中でもよくやったわ、と後から自分で自分に感動しました。

最初のいきみがものすごく痛かったので、先生に、

”あと何回いきんだら出てくるんですか?”

と聞きました。すると

”あと5回くらいかな。”

という返事だったので、まぁ、めちゃくちゃ痛いけど、あと5回なら我慢できるか、と思いました。ところが次にいきんだとき、先生も看護婦さんも、

”その調子!上手にいきめましたよ!!上手上手!!”

と大絶賛。院長先生が、

”上手にいきめたから、もう5回もいきまなくていい。次のいきみで出てきますよ。”

と仰いました。えぇ!!??次のいきみで本当にもう赤ちゃんが出てくるの??信じられませんでした。でも次のいきみ、つまり3回目のいきみで本当に生れたんです!!

確かに何かが下からにょろっと出たような感覚がありましたが、まさかこんなので本当に赤ちゃんが自分の体から出たなんて、やっぱり信じられませんでした。

2007年10月4日午前0時39分、3,404gの元気な女の子が誕生しました!

”Honey, well done! She is a gorgeous girl!" (ハニー、よくやったね、かわいい女の子だよ。)

とリチャードがまだカメラを回し続けていました。結局あまりにも辛く苦しい妊娠期間だったので、正直お腹の子供がかわいいと思える余裕はありませんでした。生まれ出たこの時も、まだ後陣痛と会陰切開の傷の処置で痛みは続いていたので、生れた喜びを噛み締める余裕もあまりなく、ビデオには私が苦しそうにうめく姿が残っていました、、、。

ちなみに赤ちゃんが出てくる直前、下をジョキっとはさみで見事に切られるシーンがビデオに残っていました。みんなが言うように、陣痛の痛みで、そんな痛みは微塵も感じなかったのが驚きです。普通の状態であんなことやられると、失神しそうですよね、ほんとに。それよりも、その後そこを縫われる時の痛みの方がひどかったんですよ。いざ出産が終わってしらふに戻ると急に痛みを感じるものなのでしょうか。





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